2015年9月28日月曜日

Quicksilver announces bankruptcy plan

Robert McKnight, former founder and chairman of Quiksilver
Quiksilver(HQ:Huntington Beach, CA、Pierre Agnes CEO)が9月9日にchapter 11適用を申請してまもなく1カ月になる。8億ドルを越える債務はOaktree Capital ManagementとBank of Americaの主導で5億ドル余の負債繰り延べと2億7,900万ドルの債務株式スワップを実施する再建プランが提出されている。
Quiksilverの破産はHurley売却(2002年)、Volcom売却(2011年)、Billabong業績不振に続いて発生したから、日本ではサーフビジネス不振が原因と見られているが、実際はH&MやTopshopに客を奪われたのが破産の直接原因になった。
Quiksilver Coolangatta store
アメリカでは2014年から今年に掛けてJunior(ティーンズ)対象チェーンが次々に破綻した。Deb Stores(2014年12月破産)、dELiA*s Inc(2014年12月同)、Body Central Corp(2015年1月同)、Wet Seal Inc(2015年1月同)、Cache Inc(2015年2月同)などの中堅チェーンが次々にchapter 11を申請して破綻した。これらのチェーンを破綻に追いやったのはH&MやTopshopのようなfast-fashon chainだった。
Quiksilver Malibu store
サーフ業界は90年代末〜00年代初頭に市場が崩壊したため、有力ブランドはサーファーからティーンズに対象を切り替えた。ところがこの数年間ティーンズはサーフブランドからfast-fashion chainのフェスティバルファッションに乗り換えてしまったから、ティーンズチェーンはギブアップしたのである。Quiksilverもこの競合でH&MやTopshopに敗退したため破産に追い込まれた。サーファーもティーンズも期待できないとすると、新しいスタイルかジェネレーションを探さなければならない。Quiksilver再建は難問山積である。

2015年9月11日金曜日

Eddie Bauer “Skyliner” presentation

Eddie Bauer Skyliner Jacket
Eddie Bauerは9月10日のメールニューズでSkylinerのプレゼンテーションを打ち出した。Skyliner の30年代風ヴィンテージ画像と現在のモデルを対比して、Eddie BauerのAmerican Original Brandイメージをアピールした。オーソドックスでごく当たり前のプレゼンテーションだから、とりたててどうこういうほどのことはない。しかしこんな当たり前のことが、Eddie Bauerではこの3年間一度も起こら無かった。少なくともMichael Egeckが社長に就任してから、今まで一度もこういうことはなかった。
Michael Egeck, left, CEO of Eddie Bauer.
それではいったいEddie Bauerはメールニューズで何をアピールしていたかというと、明けても暮れてもディスカウントセールの案内か、Labor Dayの家族旅行に最適なパックやジャケットのおすすめなどをメールしてきたのである。Eddie Bauerだけでなく、他のアウトドアブランドやチェーンも同じようなものだった。そこに突然、193年代のヴィンテージジャケットが登場したのだから、ちょっとしたカルチャーショックを受けたのである。
Eddie Bauer San Francisco flagship store.
Michael Egeckは去年の12月にはSan FranciscoにFlagship storeをオープンし、今年1月には新アパレルライン “Motion”を発売した。た。社長就任後初めて新スタイルのオンラインプレゼンテーションも打ち出した。EgeckのNew Eddie Bauer路線はいよいよ正念場である。

2015年9月2日水曜日

Billabong International Full Year Result

BillabongHQBurleigh Heads, Queensland, Australia)の20156月期業績は売上高106,380万豪ドル(前期比12.6%減)、純利益270万豪ドル(前期23,370万豪ドルの赤字)となった。3期連続減収となったが、6期続いた赤字計上はようやく食い止めた。減収はブランド売却による売上減少で、6期続いた損失は買収ブランドの評価損と売却損を特別損失として計上してきたからである。
この3年間でSurfstitch、Swell、West 49、DaKineなどを次々に売却し、ひとまず拡大路線の後始末は終わった。ブランド売却で減収は続いているが、継続事業だけでみると2.6%の増収で、ようやく単年度黒字計上にこぎ着けた。
Neil Fiske, image from Gold Coast Bulletin.
グローバルサーフ市場に目立った成長要因は生まれていないから、楽観はできない。しかしBillabongが最悪期を脱したのは衆目の一致するところである。再建の陣頭指揮を執っているのは2013年8月CEOに就任したNiel Fiske(CEO)だが、まるで綱渡りみたいな事業運営を乗り切った。いよいよこれからアメリカとヨーロッパで積極攻勢を開始することになる。「Bath and Body Works」と「Eddy Bauer」で評価された経営手腕が生きる舞台に返り咲くのである。